「インフラエンジニアという言葉は知ってるけど、一体どんな仕事なんだろう?」
「興味はあるんだけど、ちゃんとやりがいはあるのかな?」
こんな風に疑問に思ったことがある方も多いと思います。
現代社会において、ITインフラは私たちの生活に欠かせない存在です。インターネット、通信、金融、医療など、あらゆる分野でインフラが支えとなって社会を動かし続けています。
そのインフラを支えるのが、縁の下の力持ちとして活躍するインフラエンジニアです。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワーク機器の導入、設定、運用、トラブルシューティングなどの業務を通して、社会全体の安定稼働と発展に貢献しています。
この記事では、インフラエンジニアの仕事内容、やりがい、魅力などを詳しく解説していきます!
未経験だけどインフラエンジニアに興味がある、転職してみたいと思っている方は必見です!
インフラエンジニアとは
縁の下の力持ち!
インフラエンジニアは「ITインフラストラクチャーの設計、構築、運用、保守を担当する専門職」です。
誰もがスマホを持っているような現代において、インターネットは非常に身近な存在になりました。
SNSをはじめとして、Netflixなどの動画配信サービス、Amazonや楽天による宅配サービスは生活に無くてはならないものになってきています。
他にも各社銀行のアプリや決済サービス、PCやスマホで日頃からゲームをしているような方も多いでしょう。
実はそういったサービスの裏では、非常にたくさんのサーバ(性能の良いPCと思ってOKです)やネットワークをつなげるための仕組みが24時間動いています。
そんなサーバやネットワークを構築し、あるいはセキュリティ面を確保してサービスを利用できるように仕事をしているのが、まさにインフラエンジニアなのです。
普段は意識することはほとんどないでしょうが、IT技術が社会で機能するための基盤を形づくり支えている、いわば縁の下の力持ちのような存在ともいえます。
レストランで例えてみる
なんだかイメージが湧きづらいという方向けに、レストランで例えてましょう。
レストランにおいては、料理人が実際に料理を作ってお客様に提供するのがサービスそのものですね。
それに対し、レストランを開くための建物を建築して内装を施し、食器や冷蔵庫、調理器具をそろえてキッチンを整える、はたまた材料が不足しないように在庫を管理するといった仕事がありますよね。
これらはお客様の目から見たらあって当たり前なのでご飯を食べる時に意識するようなことはないですが、料理をふるまうには無くてはならない仕事なのは間違いありません。
インフラエンジニアも同じで、IT技術におけるサービス提供のための基礎を支えているのです。
材料が不足したり、調理器具がなかったりしたら料理は作れません。
土台というのはとても大事なんです。
インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアの仕事内容は、大きく分けて3つあります。
インフラの企画・構築・導入
専門的な話の前に、レストランを例にしてもう一度考えてみましょう。
実際にレストランをオープンしようとする時には、最低でも次のような事について考えないといけません。
- フレンチやイタリアンといった料理の方向性
- オープンする場所選び
- 確保できる予算
- 予想される来客数
- 料理人やホールスタッフを雇う人数
- 店舗のセキュリティの確保
- 拡大まで考えた時の将来性
- 材料がどのくらい不足したら発注するかといった在庫管理の方法
世の中にはある数多くのレストランはどれも個性豊かで同じものは存在しないですが、それは目的や条件が全く異なっているからだと言えます。
目的や予算を決めて、来客数などをあらかじめきちんと見積もっておくことは、オープンした後に適切に経営できるようにするためにも、きわめて重要なことです。
インフラエンジニアも同様で、まずは企画段階で各種サービスの目的や予算、予想される利用者数などを適切に算出します。
その前提があったうえで、企業のニーズに合わせた適切なサーバやネットワーク機器の選定をしていくのです。
ちなみに、業務用サーバは非常に高価で100万円以上するものが平気で扱われます。もっと高いのも普通です。
そして、選定が終わって初めて導入し、各種セキュリティ面の設定など行っていくわけです。
詳しくは省きますが、もちろんクラウドサービスの導入もたくさんありますよ。(その辺はケースバイケース)
運用・監視・トラブルシューティング
さて、機器を導入するまではいけたとして、そこで仕事は終わりません。
ちゃんと安定して機器が動いているかを監視して、運用していく必要があります。
ちょっと調べたことがある人はSNMPとか聞いたことがあるかもしれませんが、そういった機器を見守る仕組みを用いて、サービスが途切れることがないよう対応していくわけです。
実際には以下のようなものが挙げられます。
- システム障害が発生した際の原因調査、復旧作業
- ネットワーク障害が発生した際の原因調査、復旧作業
- セキュリティインシデントが発生した際の対応
- パフォーマンス問題の分析、改善
インフラエンジニアに夜勤が生まれる理由はここにあります。
なにせ問題解決には24時間体制で当たらないといけない場合がほとんどだからです。(利用できる時間が限られたサービスならいいですが、数は多くないでしょう。ゲームや決済アプリはほぼ間違いなく24時間使えますよね?)
また、運用には実は高い知識や技術力が求められます。
というのも、とある問題が生じた際の問題を特定することは簡単ではないからです。
意外なところに根本となる原因が潜んでいたりするものなので、多方面にわたる技術力がないとさっぱり分からないなんてことになりがちなんですね。
やはりエンジニアにとってスキルは無くてはならないものと言えます。
インフラエンジニアのやりがい
では、縁の下の力持ちとして働くインフラエンジニアには、どのようなやりがいがあるのでしょうか?
実務に出ている私自身の観点も交えつつ話していきたいと思います。
1. 社会インフラを支える責任感と達成感
私たちの生活や社会活動を支えるITインフラを構築・運用することは、大きな責任と同時に大きな達成感を与えてくれるものです。
自分が携わったインフラが多くの人々に利用されて社会に貢献していることを実感できると、大きなやりがいを感じることができます。
仮にサーバやネットワークに障害が起きれば、銀行からお金を引き出せないとか、決済アプリが使えないなど様々な影響が生じることでしょう。
鯖落ちなんて言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか?
サーバが何らかの原因でダウンしてしまったことを指す言葉ですが、立派な障害ですよね。
規模が大きいサービスを扱うことも多く社会に対する責任感は大きいものですが、もちろんIT社会を支えているというやりがいもその分感じられますよ!
2. 幅広い知識と技術の習得
インフラエンジニアは、サーバー、ネットワーク、OS、セキュリティ、クラウドなど、幅広い知識と技術を必要とします。
もちろん、これらの知識は一日学んだ程度で身につくようなものではないです。
そのほとんどが長い時間をかけて知見を増やしていく必要があり、習得は簡単ではありません。
さらには時間が経てば新しい技術もどんどん増えていくため、常に勉強していく必要があります。
私も、最初はLinuxやネットワークの仕組みを学ぶのに大変苦労しました…。
実務レベルとなるとなおさらですね
ですが、学ぶのが大変な分理解できた時の喜びはとても大きいものです。
技術的な専門職として、楽しさを感じることができる重要な要素だと言えますね!
3. 課題解決能力の向上
システム障害やネットワーク障害が発生した際にインフラエンジニアは対処する必要が出てきます。
その際には、迅速かつ的確に原因を調査しては復旧作業を行っていくための、高い問題解決能力が必要です。
とはいえ問題が生じてから0から対応するのはほぼ不可能に近いです。
そのため、あらかじめ作成された手順に従って問題解決にあたるケースが多いです。
それなら問題解決能力なんていらないのでは?と思われそうですが、それは違います。
むしろ、以下のような意味での問題解決能力が求められます。
- 想定されうる問題を先読みして、正確かつ分かりやすい手順を作成することができる
- 手順にない場合に状況を正確に分析して、柔軟かつ的確に問題解決に向けて動くことができる
- チームで問題解決に当たる際に、コミュニケーションを図ることができる
おそらく皆さんが思う以上に、簡単に障害というのは起こってしまうもの。
なにせ相手にするのは機械です。いつ機嫌を損ねて壊れてしまうか分かったものではありませんからね。
しかし、多くの課題にぶつかり克服していく過程で、論理的思考力や分析力、コミュニケーション能力などのスキルを磨き、自身の成長を実感することができるのは間違いありません。
私も実務に入ってから、より問題に対して考えられる可能性をより慎重に捉え、柔軟に対処していく力が身についてきたことを実感しています。
こういった点にも、やりがいを感じられる方は多いことでしょう。
4. 時代の最先端を担う
IT業界は常に進化しており、インフラエンジニアも常に新しい技術を学び、取り入れなければなりません。
最先端の技術に触れることは、刺激的でやりがいのある仕事です。
クラウドサービスはもはや当たり前になり、IoTやChatGPTに代表される生成AIのような技術も社会に浸透しつつあります。
社会の変化の激しさは増す一方ですが、常にその最先端にいるのが我々エンジニアです。
そう思えば、大きな誇りをもって仕事に取り組んでいけることでしょう。
5. 高いキャリアパス
インフラエンジニアは、経験やスキルを積むことで、マネジメント職やコンサルタントなど、キャリアアップの選択肢が広がります。
一度身に着けたスキルはそう簡単になくなるようなものではなく、自分のエンジニアとしての市場価値をどんどん高めていってくれることでしょう。
自分の専門性を活かして、より高度な仕事に挑戦できることも、インフラエンジニアの魅力の一つです。
IT業界自体、年功序列の意識が薄いことも多いです。
自分のやる気次第で爆速で上にいけるチャンスがあるのは魅力的ですよね。
エンジニア業界は実務経験が優遇される傾向にありますが、インフラエンジニアは慢性的な人手不足のためか未経験の求人も多いです。
未経験などはあまり気にせずにやってみたいならば積極的に挑戦して、実務経験を積み上げていくようなキャリアを早くから築くのが良い選択になるでしょう。
インフラエンジニアに向いている人
うーん…やりがいは理解できたけど、結局私ってインフラエンジニアに向いているのかしら?
自分に合っているかどうか、最初は不安になるのも仕方ないと思います。
そこで今度は、インフラエンジニアに向いている人・求められる能力について見ていきましょう!
1. 論理的思考力と分析力
インフラエンジニアは、複雑なシステムを理解し、問題を分析・解決する能力が求められます。
そのため、論理的思考力と分析力は必須です。具体的には、以下のような能力が必要です。
- 問題を論理的に分解し、本質を見抜く力
- データを分析し、そこから意味を読み解く力
- 複数の選択肢から最適な解決策を導き出す力
これらの能力は、日々の業務で様々な問題に直面するインフラエンジニアにとって、非常に重要です。
といっても、実務に出てからしか磨かれないような面もあるので、最初から気にしすぎる必要はありません。
2. 問題解決能力
インフラエンジニアは、システム障害が発生した際などに、迅速かつ的確に問題を解決する必要があります。
そのため、高い問題解決能力が求められます。具体的には、以下のような能力が必要です。
- 冷静沈着に行動し、状況を的確に把握する力
- 様々な視点から問題を分析し、原因を特定する力
- 創造性と柔軟性を持ち、最適な解決策を導き出す力
こちらも先ほどと同様に、実務に出てから鍛えていけばあまり問題ありません。
最初から問題解決能力に優れている人なんていないので、経験を積みながら習得していきましょう。
3. 新しい技術への興味
IT業界は常に進化しています。
そこで、インフラエンジニアも新しい技術を学び、取り入れることが求められます。新しい技術への興味を持ち、積極的に学ぶ姿勢がより一層大切になるでしょう。
具体的には、以下のような姿勢が必要です。
- 常に最新の技術情報にアンテナを張り、新しい技術を積極的に学ぶ
- 新しい技術を実際に試してみる
- 積極的に勉強会やセミナーに参加する
新しい技術への興味は、インフラエンジニアとして成長していくために欠かせません。
知らないことにぶつかった際に完璧に理解はできなくても、自分で考えたり調べたりする姿勢は必要です。
できれば自宅のパソコンでLinuxを触れる環境ぐらいは最低限構築して、空いた時間に試しに触ってみるといった時間はあった方が良いと思っています。
学んだスキルが仕事に直結するので、ぜひともエンジニアとして学習する姿勢は忘れないようにしましょう。
4. 責任感
インフラエンジニアは、社会を支える重要なインフラを管理・運用しています。
そのため、高い責任感が求められます。(何かしら障害が起きると大変なので…いや本当に…)
具体的には、以下のような責任感が必要です。
- 自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げる
- 問題が発生した際には、迅速かつ的確に対応する
- 常にシステムの安定稼働に努める
これらのうち、対応力はそう簡単に身につくものではないですが、最後まで仕事をやり遂げるためにも日々努力は怠らないようにしましょう。
常に自分が行っていることが与える影響の大きさを頭の片隅において、業務にあたれると良いですね。
ちょっとビビりなくらい慎重でちょうど良いと思っています。
どこかで操作をミスってしまったら洒落にならないので笑
自信の行動に責任をもって仕事をするというのは私自身も心がけています。
5. チームワーク
インフラエンジニアの仕事は、チームで行うことが多いです。
エンジニアはコミュニケーションを行う機会も多いため、チームワークは大切にしないといけません。
具体的には、以下のような姿勢が必要です。
- チームメンバーと協力して、目標達成のために努力する
- 積極的にコミュニケーションを取り、情報を共有する
- 周囲の人を尊重し、互いに助け合う
チームワークは、プロジェクトを成功に導くために欠かせません。
特に大事なのは…?
どれも大切ですが、特に5.チームワークは欠かせないと考えています!
エンジニアは黙々と一人で仕事に取り組むわけではなく、対面もしくはチャットツールを用いてコミュニケーションをしながら業務にあたっていくことがほとんどだからです。
能力やスキルについては経験のある人にカバーしてもらえますが、それもコミュニケーションあってのこと。
エンジニアは黙々とパソコンと向き合って仕事をするなんてのは嘘に近いです。
1人の社会人としても円滑に意思疎通できるように力を尽くしていきましょう。
日頃から正しく意図を伝えられているか意識して会話することを心がけていきましょう!
まとめ
インフラエンジニアは、社会を支える縁の下の力持ちであり、常に新しい技術を学び、進化し続ける仕事です。
高い責任感とやりがいを求める人、自分のスキルを活かして社会に貢献したい人にとって、インフラエンジニアは魅力的なキャリアと言えます。
この記事を読んでみてインフラエンジニアにより興味がわいたという方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで、未経験の方も含めてお伝えしておきたいのは、まずは動いてみようということです!
途中でお伝えしたように実務経験を積み上げていくようなキャリアを早くから築くのが良い選択だと考えています。
やはり実務に出てみて実際に経験してみて初めて分かる事や感じられる事はとっても多いです。
興味があるなと思うのであれば挑戦してみる価値は十分にあると思います。(何を隠そう、私自身がそうでした!)
そんな方の背中をほんの少しでも後押しできたならば幸いです。
今後もたくさん記事を書いていきますので、楽しみにしていてください!
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