「ITエンジニアに転職したいけど、何から始めれば良いか分からない…」
「今の仕事を辞めたとして、本当に転職できるか不安です」
転職したいと考えていても、実際にはこんな風に悩んでしまって動けないという方は多いのではないでしょうか。
私は2023年4月にエンジニアに転職したのですが、思い悩んでしまう気持ちはとてもよく分かります。
私自身の話を少ししましょう。実は以前まではブラック企業で営業職を1年間行っていました。
1日の睡眠時間は4時間程度で残業代も出なかったため、思い出すのも嫌なくらい大変な思いをしたのですが、その後になんとか未経験からエンジニア転職に成功し幸せな生活を送れています。
そんな私の苦い経験から、どうすれば未経験でもエンジニアに転職できるのかが分かるように5つのStepに分けてロードマップを作成しました。
「エンジニアに転職して人生を少しでも良い方向に変えていきたい」という方の参考になれば嬉しい限りです。
“エンジニア不足”が騒がれている?
IT人材の現状と需要の上昇
「ニュースなどでエンジニア不足が騒がれているが、最近でも本当に求人はあるのかな?」
「将来的に職が無くならないか心配…」
こんな風に疑問に思われた方もいるかもしれませんね。
そこでまずは、IT人材の量と質に関して、IPA(情報処理推進機構)による企業への調査結果のグラフを見てみましょう。
IPA 独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2023 第4章デジタル時代の人材」よりデータ参照
グラフから分かることは以下のようにまとめられます。
- ITにおける人材は常に大きく不足し続けている
- 量だけではなく質の高いエンジニアが企業に求められている
IT人材が不足していると答えた企業は、減るどころかむしろ増えているのが現状。
つまり、エンジニア需要はこの先しばらくずっと高いままであり、売り手市場=就職や転職がしやすい状況が続いていくことが予想されます。
未経験の求人が多いのも納得です。
逆に言えば、不足が騒がれている今こそが転職の大きなチャンスになりますね。
エンジニアになるメリットとデメリット
では、エンジニアになるメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
まずはデメリットから簡単に見ていくことにしましょう。
求人がある仕事の中には夜勤が含まれる場合も多々あるので、生活事情に合わせて取捨選択していく必要があるでしょう。
また、最後に挙げた身体への負荷は意外と見過ごせません。目の疲れや腰痛には気を付ける必要があります。
私は意識的に散歩をするようにしています。
今ではすっかり日課になりました笑
続いてメリットとして、次のものが挙げられます。
専門職のため、スキルさえ身につけてしまえば進める選択肢が多いというのは大きなメリットでしょう。
もちろん、これらの感じ方は人それぞれです。
エンジニアは確かに大変ですがその分やりがいも多く、IT社会を支えていく一員として働けることに魅力があると私自身は感じています。
興味があるなら挑戦してみるだけの価値があると私は思います。
では、メリットとデメリットについて確認できたところで、いよいよ本題に入っていきます。
ロードマップはこれだ!
実にざっくりと書きましたが、転職したい場合にはおおむねこのような流れを追うことになります。
未経験の方でも、この順序で進めていけば自分が望んだ転職ができる確率があがるでしょう。
それでは早速、以上5つのStepについてそれぞれ詳しく見ていきたいと思います!
Step1: 自分の目指すITエンジニアを決めよう!
最初のステップでは、自分の目指すITエンジニアを決めていきましょう。
「エンジニアの種類についてあまり知らないよ」という方は、まずこちらの記事を参考にしてみてください。
いやいや、種類多すぎですって…。どれが自分に合ってるのかよく分からないですよ。
多すぎて混乱する気持ちは分かります。未経験ならなおさらです。
正直勉強してみて向き不向きが分かる面もありますし、就職してから仕事内容が変わる事も当然ありえます。
ここで迷い続けて時間を無駄にするのが一番もったいないので、方向性だけ決めたらOKです。
そんなわけで、最低でもこれだけは決めておきたいという目安を書いておきます。
- プログラミング大好き!言語に触れていたい!→開発系エンジニア
- 機械が好き!サーバやネットワーク、クラウドに興味がある!→インフラエンジニア
- 専門技術はほどほどにして、ビジネススキルも活かしたい!→ITコンサルやプロジェクトマネージャー
おすすめは、開発系エンジニア or インフラエンジニアです。
未経験からの転職となるとインフラエンジニアの求人が比較的多い印象です。
そして、開発系は実務経験がすでにある方向けの求人が多い傾向にはあるのですが、いずれにせよ興味が無ければ辛いだけの仕事になってしまいます。
そうならないようしっかり学習しつつ、転職に力を入れていきましょう。
Step2: 今の会社を辞めよう!
すでに会社を辞めている方であれば、このステップは飛ばしていただいて問題ありません。
そして、なんら問題なく退職する意向を上司に伝えられる方もStep3へ飛んでいただければOKです!
しかしそうでない方にとっては、正直なところ最も勇気のいるステップだと思います。
↓私も元々はブラック企業で働いていたため、辞めるのにとてつもない覚悟が必要でした。
そんな方も、転職をしたいなら辞めるしかないです。これだけは避けて通れません。
そこで、何かしらの事情があって上司に言い出せない方は退職代行サービスを使いましょう。
ここ最近では退職代行の利用も一般的にもなってきていますし、きっとあなたの助けになってくれます。
私自身、辛い思いをした経験があるからこそはっきり言いますが、
退職できずに今の職場で悩みながら働きつづけることこそが一番の無駄です。
不必要なその頑張りをとっとと断ち切って、幸せだと思える人生を歩んで欲しいと心の底から強く願っています。
公式サイトから無料相談ができるので、まずは気軽に相談してみましょう。
Step3: エンジニアに必要なスキルを学ぼう!
どんなスキルを学べば良い?
次は、エンジニアとして転職する上で必要なスキルを学んでいきましょう。
(ちなみに退職について先に書きましたが、もちろん学習を同時並行で進めていただいて構いません)
ざっくり開発系とインフラエンジニアでわけるとこんな感じになります。
図にある資格について分からないよという方はこちらを参考にしていただければと思います。
インフラエンジニアはCCNAレベルのネットワークの知識とLinuCレベル1程度のLinuxの知識があると良いです。そもそもの求人数が多いため、無くても転職できる可能性も高いです。
ただし、エンジニアらしくない監視オペレーターなどに進まされてしまったあげく、スキルが全く身につかないまま終わってしまうなんて企業もあるので、その点は要注意です。
そして開発エンジニアについてですが、こちらはポートフォリオ制作に必要なスキルを一通り学ぶ必要があります。
求人の傾向として実務経験が必須となっているケースが多いので、未経験からの転職となると自分のスキルを証明するためにポートフォリオ制作が必須となってきます。
詳しくはここでは解説しませんが、フロントエンドおよびバックエンドに関する知識、システム・アプリケーションのデプロイに至るまでの一連の流れ、設計やテスト手法についても一通り学び、簡単なポートフォリオ制作を行っていけたらベストです。
やはり開発系はスキルを習得するまでがそもそも大変になってきますね。
量が膨大というのもあって独学で乗り切るのは結構厳しいのが現状です。
スキルを学ぶ方法について:リスキリング支援事業を利用しよう
現状スキルを習得する際には独学もしくはスクールという2つの選択肢があります。
それでは効率よく最短最速で必要なスキルを身に着けていくには一体どちらが良いのでしょうか。
結論を先に申し上げると、2024年現在において支援金の制度があるスクールがおすすめです。
その話をする前にですが、一度それぞれの特徴について簡単に整理・比較しておこうと思います。
項目 | 独学 | スクール |
---|---|---|
費用 | 低コスト 教材費のみ | 高コスト 教材費に合わせて受講料が必要 |
学習ペース | 自由 ただしペースを崩しやすい | 決められたカリキュラムで行っていく 自分のペースに合わせて調整できる場合もある |
学習内容 | 自分で考える必要がある 興味関心に合わせて学習 | 包括的なカリキュラム 体系的な学習が可能 |
サポート | なし | 講師からのサポートあり 質問しやすい環境が整えられている |
修了認定 | 認定資格は得られない | 修了証や資格が取得可能な場合も多い |
環境 | 主に自宅やカフェなど 集中できない場合が多い | 教室での集中した学習環境 オンラインでの受講と選べる場合も多い |
モチベーション維持 | 自己管理が必要 継続が難しく挫折しやすい | 講師やクラスメイトの存在でモチベーション維持しやすい 専属のメンターがつくことも多々ある |
こうしてみた際に、もちろん独学にも独学ならではの良さがあります。
ただし、きちんと自分で情報収集できる方やスケジュールを立てて自己管理ができる方でないと、目標を達成する前に挫折してしまうケースが多いのも事実です。
一方で、スクールには以下のメリットがあります。
講師がいるため独学ではどうしても手が届かないようなサポートを受けられますし、自分ひとりで学習を進めていくよりは安心感があります。
ただし、どうしても受講費用がかかってしまうというデメリットがスクールにはあります。
ですが、そんなデメリットを補ってくれる「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)」という制度が2024年1月から始まっているのです。
ここでの重要なポイントは、国から補助金が出るという点にあります。
この制度が受講料に関して相当部分を補ってくれるため、これまで金銭的な事情で通えなかった方もスクールを利用できるチャンスだといえるでしょう。
講座の受講修了時点で費用の50%も補助金が出るのは嬉しいですね。
そこで補助金がある今、私が思うIT転職の最強ムーブは次のようになります。
- 自分がなりたいITエンジニアとスキルセットを確認する
- スクールを通して短期集中で必要スキルを習得しポートフォリオを制作
- 転職支援を受けつつ未経験の求人に応募する
- 無事転職を終えたら、補助金のキャッシュバックをもらってスクール代を回収する。
→最短最速で希望通りのエンジニア生活をスタート!
未経験の方向けおすすめスクール2選
ここでは、開発系とインフラ系に分けておすすめのスクールについて紹介します。
開発系エンジニアを目指すなら:DMM WEBCAMP
開発系からインフラにまたがるような幅広い知識が身につくだけでなく、開発経験も得られます。
開発した成果物を、そのままポートフォリオとして転職に活かせるのは大きなポイントです。
コースによって変わりますが、転職保障の存在や、「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の対象として補助金があるのも助かります。
無料での相談もできるので、詳しくは公式サイトを見てみてください。
インフラエンジニアを目指すなら:ウズウズカレッジ
CCNA/LinuCのコースがある、まさにインフラエンジニアに向いているスクールになります。
受講料は最大100%のキャッシュバックがあるため、金銭的な負担をあまり考える必要がありません。
とりわけ初学者がとっつきにくいネットワークに関する知識を、この機会にスクールで学んでしまうのは良い選択です。(何しろ私自身がスクールで学んだ身なのです)
こちらも無料カウンセリングを受けられます。詳しくは公式サイトからのぞいてみてください。
また、CCNAについては詳しく書いた記事があるので、こちらも参考にしてください。
これは独学でもOK
ところで、何でもかんでもスクールに行くことをおすすめしているわけではありません。
次に挙げるスキルの基礎的な部分を学ぶのは、独学でもそこまで問題ないと思っています。
- HTML
- CSS (SassやCSS設計は除く)
これらはマークアップ言語と呼ばれるもので、厳密にはプログラミング言語ではありません。
ですが、エンジニアで知らない人はまずいないような基本知識であり、独学でもある程度学べると思います。
他にはパソコン教室などもお金を出してまで行く必要はないと個人的に思っています。
自分で調べれば大体のことは解決できますし、エンジニアになりたいのであれば、ある程度自分で調べて考えるスキルはどのみち必要になってくるからです。
自己投資すべきポイントはしっかり選びましょう。単にお金がもったいないです。
逆に次にあげるような事柄はスクールに行って学んだ方が効率が良いと考えられます。
- 本格的にWeb制作を行う方向けのHTML/CSS/JavaScript (SaSS/CSS設計など含む)
- Java/Ruby/PHPといったサーバサイド言語
- 各種フレームワーク(React, Vue, Rails, Laravelなど)を用いた開発手法
- Webシステム/アプリケーション開発の一連の流れを学ぶ
- DB操作・設計・構築
- AWSを初めとするクラウドの構築・運用スキル
- その他実務でも通用するレベルでのスキルを習得したい場合
これらは学習コストが比較的高く、独学だと挫折するケースが非常に多いです。
カリキュラムに合わせて学習を継続できる、分からないことがあれば質問できるといったスクールのメリットが大きく、結果として時間もお金も無駄にならないと私は考えています。
Step4: 実績を作ろう!
開発系エンジニア:ポートフォリオを制作しよう
ここから先はスキルを習得した後のお話です。
できればここまでのStepを全て踏んだ後にもう一度戻ってきて欲しいです。(通常であれば、ここまでに3か月から半年程度要することと思われます。)
最後まで読み切ってしまいたい方は、もうしばらくお付き合いください。
ここまでスキル習得の話をしてきましたが、すべてはこのためと言っても過言ではありません。
開発系エンジニアを志望する方は特にポートフォリオを制作する必要があります。
もちろん、スクールに通われた方はその際の成果物をそのまま流用していただいても構いませんが、自力で作成しきったものがあればなおさら良いでしょう。
ここで、ポートフォリオ制作時のポイントについてまとめておきます。
どうしても時間がかかるでしょうが、そこは目をつむって制作に励みましょう。
これまでしっかりとスキル習得に励まれた方でも、分からないことやつまづく部分はたくさん出てくると思いますが、その都度調べつつ制作していきましょう。
インフラエンジニア:CCNA/LinuCを取ろう
対して、インフラエンジニアになりたい方がポートフォリオを作る必要はないと考えています。
そもそもインフラエンジニアでポートフォリオと言われても正直ピンとこないです。(自宅にサーバラックでも立ててサーバ・ネットワーク構築とかやっていたらその経験が転職に活きるでしょうが、そんな方は未経験という枠からとっくに外れているでしょう笑)
そこで、インフラエンジニアになりたい方は資格を取得しておきましょう。
資格学習がそのまま実務で使える知識になりますし、転職時にも十分評価される材料になります。
おすすめは、CCNAもしくはLinuCレベル1です。すでに何度も登場していますね。
また、余談ですが次の経験があると役に立つでしょう。
- PCをパーツから自力で組み立てる→CPU/メモリ/マザーボード/SSDといったPCの構造が分かる
- 自宅のPCで仮想マシンやコンテナを作成し、Linuxを動かしてみる
私はインフラエンジニアになりたいのであれば、いち早く求人に応募するのが大事だと思っています。
それは未経験からの求人数がそもそも多いからです。
そこで、早速次のStep5に移っていきたいと思います。
Step5: 未経験OKの求人に応募しよう!
ここまで長い道のりでしたが、いよいよ求人への応募となります。
自身の習得したスキル・資格・ポートフォリオを用いて、希望するキャリアを突き進みましょう。
ITスクールの転職サポートを受けられる方
すでにスキル習得時に通っていたスクールにおいて転職のサポートがあるという方は、まずはそちらを有効活用することから考えていけば問題ありません。
主な理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の補助金を最大限に利用したい
- 転職に利用するサービスが多すぎても混乱してしまう
- DMM WEBCAMPを初めとして、スクールの転職サポートがしっかりしている
せっかくなら、最後まで有効活用しちゃいましょうということですね。
独学だった or 求人への応募から入りたい方
「まだどこの求人サイトも見てないです」という方もいらっしゃることでしょう。
そこで、私がおすすめするウズカレITという転職・就職サポートを紹介しておきます。
こちらは、20代の若者向けにキャリア支援を行う「UZUZ(ウズウズ)」が提供する、ITエンジニアを目指す求職者に特化した就業サポートになっています。
就業サポートについては完全無料で利用できます。(ITスクールを利用する場合は別途有料となります)
こちらも公式サイトから無料相談ができます。
一度、転職についての不安や悩みを話してみるのも良いでしょう。
最後に:これだけは避けたいという話
さて、ここまで長い間読んでいただきありがとうございます。
転職までの流れについて、イメージが湧いてきたでしょうか。
エンジニアになるためのアクションをほんの少しでも起こせていると良いですね。
最後に、これだけは避けたいというポイントをお伝えして終わりにしようと思います。
まず、「行動しない」ということ。これは最も避けたいポイントです。
自分の人生を変えられるのは自分だけです。必ず行動を変化させましょう。
会社を辞める、プログラミングの勉強を始めてみる、スクールに通ってみる、求人を探してみる…。
なんでも大丈夫です、一歩ずつ行動を変えていきましょう。結果は後からついてきます。
次に「学習に時間をかけない」こと。そもそも、エンジニアは一生勉強していく必要があります。
独学でもスクールでも構いません。いずれにせよ自分に合った方を選ぶことが大切です。
最初が特に大変なのは分かりますが、しっかりと時間を作ってスキルの習得に励んでいきましょう。
そしてラストが「妥協して適当な求人に応募する」ことです。
そもそも転職しようと思ったのはなぜでしょうか。
「もっと魅力的で面白い仕事をやって人生を良くしていきたい」
「エンジニアとして年収を上げてお金の不安から解放されたい」
「私生活の時間をもっと取れるような仕事に就きたい」
このように、今の不満がある職場から離れてよりよい人生を送ろうとした時に初めて転職しようと考えるはずです。
それなのに、ここで「学習が大変だから」「選ぶのが面倒だから」といって適当に求人を選んでしまっては本末転倒で、決して人生が好転することはありません。
私も皆さんの力になりたいと思って記事を書きます。希望通りの職種に転職できるよう切に願っています。
あなた自身がきちんと納得のいく職場に転職できるよう力を尽くしていきましょう。
そして、このロードマップが少しでもあなたの支えになれば幸いです。
では、また。
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